電気工事士の「あるある失敗談」- ベテランでもヒヤリとする瞬間とリカバリー術

電気工事士の「あるある失敗談」- ベテランでもヒヤリとする瞬間とリカバリー術

2025/12/16

投稿者:elecareer_staff

電気工事の現場には、日々さまざまなドラマがあります。

初めて現場を任された日の緊張感、工具を握る手の汗、そして思わぬ“やらかし”の数々──。

「もうベテランだから大丈夫」と思っていても、現場では予期せぬトラブルに直面することもあります。

今回は、そんな電気工事士たちの“あるある失敗談”と、そこから生まれたリカバリー術をご紹介します。

 

 

【あるある失敗談①】図面と現場の「ミスマッチ」に泣かされる日

「え?ここに配管が通ってるはずなのに……ない!?」

改修工事やテナント入替えの現場では、図面と現場の実態がまったく違うことがあります。

特に築数十年の建物では、過去の改修で職人が独自にルートを変更していたり、配線が途中で“謎のバイパス”になっていたり……

図面通りに施工を進めていたのに、壁を開けた瞬間、思わず「マジか…」と声が出る。

これ、誰もが一度は経験している“あるある”です。

 

【リカバリー術】「現場を信じろ。図面は“手がかり”にすぎない」

  1. 現地確認を“段取り”の一部とする

    作業前に必ず目視確認と写真記録を行いましょう。図面の整合チェックは“形式”ではなく、“自分の安全と段取りを守る行動”です。

     

  2. 過去の工事履歴や設備担当者に聞く

    管理会社や設備管理者に「この建物の電気は何度か手が入ってますか?」と聞くだけでも、トラブルを防げることがあります。

     

  3. チームで情報共有する

    発見したズレや注意点は、その日の朝礼やグループLINEで共有。現場の知恵をチームで蓄積することが、次の「うっかり」を防ぎます。

     

     

【あるある失敗談②】「しまった!」電圧確認の“うっかりミス”

「ブレーカー落としたし、検電器も反応しなかった。……よし、OK!」

──その瞬間、「バチッ」と嫌な音。

まさかの別回路が生きていた!現場では「自分の回路は自分で守る」が鉄則。

配線の取り回しや盤の構成を完全に把握できないまま作業に入ると、思わぬ回路が繋がっていてヒヤリとすることがあります。

一瞬の油断が命に関わる。だからこそ、この“ヒヤリハット”を甘く見てはいけません。

 

【リカバリー術】「確認は3回やってちょうどいい」

  1. 指差し呼称の徹底

    「ブレーカーOFF! 電圧ゼロ確認ヨシ!」と声に出して確認することで、思い込みを断ち切ります。

     

  2. 複数の計測器でダブルチェック

    検電器だけに頼らず、テスターでも電圧確認を。異なる計測方法を併用することで“確認の抜け”を防ぎます。

     

  3. 安全教育の再確認

    現場の安全ルールは“毎日更新”。慣れた作業ほどヒューマンエラーが起きやすいため、定期的に安全ミーティングを行うのがおすすめです。

     

     

【あるある失敗談③】「なぜ動かない?」通電後の“謎の不具合”

通電したはずなのに、機器がうんともすんとも言わない。あるいは、一瞬でブレーカーが落ちた……。 テスターで電源を測っても電圧は来ている。焦って配線を辿り直すと、端子台で極性が逆転していたり、接地ミスをしていたり。 特に盤内や機器内部の複雑な結線では、色の識別ミスや、うっかりネジを増し締めし忘れて接触不良を起こしていることが、原因の究明に膨大な時間を費やす「あるある」です。

 

【リカバリー術】「結線・導通はデジタル管理」

  1. 結線後の電源OFF・テスターによる導通チェックの徹底

    誤結線が疑われる場合、まずは電源を遮断し、テスターで電圧を確認したうえで配線状態を一つずつ検証します。

    さらに、回路間の導通をチェックし、必要に応じて対地間(L–G・N–G)の絶縁抵抗も測定しておくことで、誤結線や接触不良によるトラブルを未然に防止できます。

     

  2. トルク管理とチェックシートの活用

    端子台やブレーカーへのネジ締め(増し締め)は、緩みによる接触不良や火災を防ぐために極めて重要です。規定トルクでの締め付けをルール化し、チェックシートで確認することで、後のトラブルを未然に防ぎます。

     

  3. 写真を撮って比較

    複雑な結線作業の前後にスマホで写真を撮り、図面や他の成功事例と比較するのも、ミスを発見する有効な手段です。

     

     

【あるある失敗談④】工具や材料を「あの場所」に忘れてくる

「ペンチがない!……あ、あの天井裏かも」

脚立の上や点検口の中、分電盤の裏などに工具を置き忘れるのは、ベテランでも油断するとやってしまいます。

特に高価な電動工具を忘れると、精神的ダメージも大きいですよね。

また、置き忘れた工具が後日の他業種作業で落下・破損を招くなど、二次トラブルに発展することも。

 

【リカバリー術】「“片付けまでが作業”を習慣化」

  1. 帰る前の“工具点呼”をルール化

    現場ごとにチェックリストを作成し、チームで声をかけ合って確認する。

    「工具ヨシ、材料ヨシ、脚立ヨシ」で現場を締める習慣をつけましょう。

     

  2. 工具の定位置を決める

    工具箱の中身を“住所化”。戻す場所が決まっていれば、ひと目で「足りない」が分かります。

     

  3. 忘れ物防止タグ・スマート工具管理も活用

    最近ではBluetoothタグやアプリで工具管理する現場も増えています。デジタルの力も借りて、うっかり防止!

     

     

【あるある失敗談⑤】機能はOKでも「美観」がNG判定

配線ルートや機器の取り付け位置が、設計図からわずかにズレてしまった。機能的には問題なくても、内装材や壁紙の仕上げに入った後で施主や設計者に指摘されるというのも、ベテランが陥りやすい罠です。 特に高級物件や商業施設では、コンセントや照明器具の設置高さ、複数の器具の水平・垂直のわずかなズレが、致命的な手直し要求につながることがあります。

 

【リカバリー術】「仕上げの『墨出し』は二重チェック」

  1. 他業種との連携を密にする

    仕上げ担当の職人や設計管理者と、最終的な取り付け位置や器具の納まりについて、事前に「立ち会い確認」を行いましょう。

     

  2. レーザーレベルによる基準線の徹底

    取り付け時の墨出し(基準線)は、必ず高性能なレーザーレベルを使用し、複数の基準線から二重にチェックを行うことで、ヒューマンエラーによるズレを防ぎます。

     

  3. 機能<見た目という意識

    美観が重視される仕上げ作業においては、「きれいに仕上がっているか」という施主目線のチェックを忘れず、機能が正常なことと美観が整っていることは別物と意識しましょう。

     

     

まとめ

失敗は誰にでも起こるものです。

ただし、本当に大切なのは「そこで何を学ぶか」。一度のミスも、振り返りと改善を重ねれば、確かな経験になります。

現場では、想定外の出来事がつきもの。こうした“あるある”も、一つひとつを教訓に変えることで、安全意識と判断力が磨かれていきます。

そして何より、電気工事士の仕事は人の生活を支える誇りある職業です。

今日の気づきが、明日の自分と仲間を守る力になる──。

そんな意識で、次の現場にも臨んでいきましょう。

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