電気・設備業界のキャリアパスを拓く!施工管理技士「一級」と「二級」の違い
2025/10/31
投稿者:elecareer_staff
			
		
電気・設備業界でキャリアアップを目指すなら、「施工管理技士」の資格は避けて通れない道です。この資格には「一級」と「二級」の2つのレベルがあることをご存知でしょうか。どちらの資格を取得すべきか、また、それぞれの資格で何がどう違うのかは、多くの受験者が疑問に思う点でしょう。
このコラムでは、施工管理技士の一級と二級の「違い」に焦点を当て、それぞれの役割、権限、そしてキャリアパスにおける重要性について詳しく解説します。
一級と二級の「違い」:管理できる工事の規模と責任
施工管理技士の資格を持つことで、工事現場の主任技術者や監理技術者として管理業務を担うことができます。電気・設備業界では、この資格がなければ大規模な工事を任されることはありません。
◆二級電気工事施工管理技士・二級管工事施工管理技士
主に比較的小規模な電気設備工事や空調・給排水設備工事などにおいて、主任技術者として施工管理を行うことができます。特定の専門工事を扱う会社で、担当する工種(例:電気工事会社なら電気設備工事のみ)の現場を任されることが多いです。
主任技術者として、工事全体の品質、安全、工程を管理する責任者となります。
二級の資格は、地域密着型の企業や中小規模の専門工事会社で、中核を担う技術者としての地位を確立する上で不可欠です。
◆一級電気工事施工管理技士・一級管工事施工管理技士
すべての規模の工事において、主任技術者または監理技術者として施工管理を行うことができます。特に、請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の大規模な公共工事や民間工事では、監理技術者として一級の資格保有者の配置が法律で義務付けられています。
監理技術者として、より複雑で大規模なプロジェクト全体の調整や、複数の工種(例:電気工事と空調工事の両方)にわたる管理を統括する役割を担います。これにより、会社がより大きなプロジェクトを受注する上で不可欠な存在となります。
一級は、大手ゼネコンやサブコン、大規模設備工事会社で、管理職や現場の最高責任者(所長)を目指す上での必須条件となります。
受験資格の「違い」:求められる実務経験の年数【ステップアップの戦略】
一級と二級では、受験資格として求められる実務経験の年数が大きく異なります。これは、それぞれの資格が求める知識と経験の深さを反映しています。
◆二級
比較的若手でも挑戦しやすい資格です。学歴や指定学科の有無によって異なりますが、一般的には1年〜8年以上の実務経験が必要です。
多くの技術者は、まず実務経験を積む中で二級を目指し、現場での基礎的な管理経験を体系的に学びます。
◆一級
二級よりもはるかに長い実務経験が求められます。通常、大卒で3年以上、二級合格後であれば5年以上の実務経験が必要となるなど、より高度で広範囲な経験が問われます。
この実務経験の長さは、単に年数だけでなく、「大規模な工事」や「複雑な工種の工事」に関わった経験が問われることを意味します。この実務経験の長さが、難易度にも影響を与えます。
試験内容と「難易度」の「違い」【求められる知識のレベル】
試験内容と難易度も、一級と二級で大きく異なります。
◆二級
学科試験と実地試験に分かれ、電気・設備工事の基礎知識と基本的な施工管理能力が問われます。難易度は中程度で、過去問を中心に学習すれば合格圏内に入りやすいでしょう。
出題範囲は限定的ですが、現場で即座に役立つ知識が問われるため、実務経験との結びつきが重要です。
◆一級
学科試験と実地試験ともに、より高度な専門知識と応用力が求められます。特に実地試験は記述式で、安全管理や品質管理、工程管理といった各管理項目について、自身の具体的な実務経験に基づいた深い理解と論理的な思考力が問われます。難易度は高く、十分な準備が必要です。
近年、一級の試験では、BIM/CIMや建設DXといった最新技術に関する出題も増えており、単なる古典的な施工管理の知識だけでなく、最新の業界動向への理解も求められています。
キャリアパスの「違い」と資格取得のメリット【年収と市場価値】
一級と二級の資格取得は、電気・設備業界でのキャリアパスに大きな違いをもたらします。
◆二級のメリット
現場での責任ある立場に就く第一歩となります。資格手当が支給されることが多く、一般的に月額5千円~1万円程度の年収アップに繋がり、将来的に一級を目指すための足がかりとなります。二級は、技術者としての市場価値を証明する最低限のライセンスとしての機能も持ちます。
◆一級のメリット
大規模なプラント、ビル、商業施設などのプロジェクトで、現場代理人や監理技術者として活躍でき、キャリアの幅が格段に広がります。一級資格手当は、月額1万円~3万円が相場とされており、年収ベースで50万円〜100万円以上の差がつくことも珍しくありません。
企業の請負金額の上限にも影響するため、会社にとって不可欠な存在となり、より高い評価と年収を得られる可能性が高まります。独立開業を目指す際にも、一級の資格は大きな強みとなります。
一級の資格を持つことは、転職市場で「トップクラスの技術者」として認められることを意味します。
まとめ:目標を見据え、戦略的に「一級」か「二級」を選ぶ
電気・設備業界の施工管理技士「一級」と「二級」には、管理できる工事の規模、受験資格、試験の難易度において明確な違いがあります。
ご自身の現在の実務経験や将来のキャリア目標を見据え、まずは二級から着実にステップアップしていくのか、あるいは一足飛びに一級を目指すのか、戦略的に選択することが重要です。ただし、長期的なキャリアと収入を考えれば、最終的な目標は一級の取得であるべきです。
一級を取得することで、あなたは電気・設備業界のより大きな舞台で活躍できる、高待遇で市場価値の高いプロフェッショナルとなることができるでしょう。
