電気工事士の仕事は「危ない」？安全確保とリスク管理の重要性

2025/09/04

投稿者：elecareer_staff

電気工事士の仕事は、私たちの生活に不可欠な電気インフラを支える重要な役割を担っています。しかし、電気を扱う性質上、「危ない」というイメージを持つ人も少なくないでしょう。高所作業や活線作業、感電のリスクなど、危険と隣り合わせの側面があることは事実です。

このコラムでは、電気工事士の仕事に潜む危険性とその具体的な内容、そしてそれらのリスクを最小限に抑え、安全を確保するための対策について詳しく解説します。

1. 電気工事現場に潜む主な危険性

電気工事の現場には、主に以下のような危険性が存在します。

最も直接的で危険なリスクです。活線（電気が流れている状態）に触れる、漏電している設備に接触するなどして、重度の火傷や心停止に至る可能性があります。

足場の組立てや電柱での作業など、高所での作業が多いため、バランスを崩したり、安全帯の不備などにより墜落する危険性があります。

配線のショートや過負荷、アーク放電などにより、火災が発生したり、電気設備が爆発したりするリスクがあります。

電動工具の誤操作や、材料の落下、運搬時の不注意などによる怪我も発生しうる危険性です。

屋外での作業が多いため、夏場の熱中症や冬場の凍傷など、過酷な環境による健康被害もリスクとして挙げられます。

2. 危険を回避するための安全対策と法令順守

これらの危険を回避し、安全に作業を行うためには、徹底した安全対策と関連法規の順守が不可欠です。

新規入職者や経験の浅い作業員には、入念な安全教育と、経験豊富な先輩によるOJT（On-the-Job Training）が行われます。危険予知訓練（KYT）なども含め、日頃から危険に対する意識を高めることが重要です。

ヘルメット、安全靴、保護メガネ、絶縁手袋、安全帯など、作業内容に応じた適切な保護具を必ず着用します。

作業を開始する前に、工具や設備の点検、作業箇所の安全確認（停電状態の確認、ガス漏れの有無など）を徹底します。

作業の安全確認を声に出して確認する「指差し呼称」は、ヒューマンエラーを防ぐ上で非常に効果的です。

電気工事士法に基づき、有資格者のみが作業を行う、作業責任者を配置するなど、法規を厳守することが安全確保の前提となります。

3. リスク管理と技術の向上

危険を伴う仕事だからこそ、リスク管理の徹底と、個々の電気工事士の技術向上が求められます。

現場の状況から潜在的な危険を見抜き、事故を未然に防ぐ「危険予知能力」を養うことが重要です。経験を積むことでこの能力は向上します。

新しい電気設備や工法、安全技術に関する知識を常に学び、自身のスキルをアップデートしていくことも、安全確保に繋がります。

万が一事故が発生した場合に備え、応急処置や救命処置（心肺蘇生法など）の訓練を受けておくことも大切です。

まとめ：安全第一で社会を支えるプロフェッショナル

電気工事士の仕事には確かに危険が伴いますが、それは適切な知識、徹底した安全対策、そして経験に基づく判断力によって、リスクを大幅に低減できるものです。電気工事士は、日々の作業の中で常に「安全第一」を心掛け、一つ一つの作業に細心の注意を払うプロフェッショナル集団です。

危険と向き合いながらも、安全を確保し、人々の生活に欠かせない電気を供給し続ける電気工事士の仕事は、高い専門性と責任感が求められる、やりがいのある職種と言えるでしょう。