10月は「秋の収穫祭」:農業を支える「電気の力」とは?

10月は「秋の収穫祭」:農業を支える「電気の力」とは?

2025/10/03

投稿者:elecareer_staff

実りの秋。色鮮やかな野菜や果物が市場に並び、私たちの食卓を豊かにしてくれる季節です。しかし、豊かな農作物の裏には、普段は目に見えない「電気の力」が大きく貢献していることをご存じでしょうか?

今回は、一見すると農業と無関係に思える「電気工事士の仕事」が、現代の農業をどのように支えているのかを掘り下げてご紹介します。

 

 

 

1. 精密な環境制御を支える「電気設備」

現代農業、とりわけ施設園芸(ハウス栽培)では、作物の成長を左右する温度・湿度・光・二酸化炭素濃度などを最適に保つことが重要です。これらの環境制御システムはすべて「電気設備」によって成り立っています。

 

  • 温度・湿度管理システム
    エアコン、ヒーター、加湿器、換気扇といった機器を自動制御するために、センサーと連動した制御盤が設置されます。電気工事士は、安定した電源確保や負荷計算、盤内配線の施工・調整を行い、作物が最適環境で育つ基盤を整えます。

 

  • LED植物育成用照明
    太陽光不足を補うためのLED照明は、波長(青色光・赤色光)の組み合わせが作物ごとに異なります。電気工事士は、単なる照明設置ではなく「電力容量」「配置」「放熱設計」を考慮しながら施工を行います。

 

  • 換気・送風設備
    適切な換気は病害虫の抑制や二酸化炭素供給に直結します。インバータ制御ファンやダクト設備を安定稼働させるために、モーター制御回路の設計や保守を担うのも電気工事士の役割です。

 

こうした設備の信頼性が、そのまま農作物の品質に直結します。まさに電気工事士は「農業の縁の下の力持ち」と言えるのです。

 

 

 

2. 「スマート農業」を実現する電気の力

近年注目を集める「スマート農業」は、AIIoT、ロボット技術を駆使して生産性と効率を高める新しい農業スタイルです。これらの技術も電気なしでは成り立ちません。

 

  • ドローン活用
    農薬・肥料の散布や作物の生育状況をモニタリングするドローンには、充電ステーションや通信インフラが不可欠です。電気工事士は、安定した電源ラインや通信ケーブルの配線工事を行い、農業のデジタル化を下支えします。

 

  • 自動灌水システム
    土壌センサーと連動して自動で給水を行うシステムは、省エネ制御や遠隔モニタリングが可能です。これらを稼働させるには、センサー配線・制御盤施工・動力回路の設計が必要で、電気工事士の高度な技術が求められます。

 

  • ロボット収穫機
    果実の熟度をAIが判断し、自動で収穫するロボットも登場しています。電源設備に加え、通信回線やネットワーク機器の設置・保守を行うのも電気工事士の仕事です。

 

スマート農業の拡大は、従来の「配線工事」だけでなく、ICTインフラ構築に強い電気工事士を必要としています。

 

 

 

3. 食の安全を守る「冷蔵・物流設備」

収穫された農産物を新鮮なまま消費者に届けるには、冷蔵・冷凍設備が欠かせません。ここにも電気工事士の技術が息づいています。

 

  • 大型冷蔵庫・冷凍庫
    農産物を保管する物流拠点や倉庫では、温度管理の誤差が品質に直結します。電気工事士は、温度制御盤やコンプレッサー制御回路を設置し、長時間の安定稼働を支えます。

 

  • バックアップ電源
    停電時に備えた非常用発電機やUPS(無停電電源装置)も必須です。これにより、突発的な停電でも食材を守り、サプライチェーンの安定を確保します。

 

  • エネルギー効率化
    近年では、インバータ制御や再生可能エネルギーの導入による省エネ化も進んでおり、その施工・メンテナンスも電気工事士の重要な業務です。

 

食の安全と安定供給は、電気工事士の技術があって初めて成り立つと言えます。

 

 

 

まとめ

電気工事士の活躍は、住宅やビルだけにとどまりません。農業分野においても、

  • 作物の成長を支える環境制御
  • AIIoTを駆使したスマート農業
  • 食の安全を守る冷蔵・物流設備

といった多方面で欠かせない役割を担っています。


「収穫の秋」を迎える今、私たちの食卓を豊かにしてくれる農産物の背景には、確かに電気工事士の存在があります。

もしこのコラムを読んで、電気工事士という仕事の幅広さや社会貢献性に魅力を感じていただけたら、ぜひその可能性に目を向けてみてください。

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